【最新】特定活動告示改正と入管法改正議論の現状

  • 2018.10.23 Tuesday
  • 15:55

 

法務省入国管理局は、特定活動告示等の一部改正案に関するパブリックコメントを2018年10月19日付けで公示しました。

特定活動』ビザとは「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動(入管法別表第一の五)を行うことができる在留資格をいい、2018年10月23日現在で、43種類の活動が法務省告示(特定活動告示)により規定されています。
直近では、今年6月13日の改正により新たに43号(いわゆる日系4世の受け入れ)が追加されました。
このように、『特定活動』ビザは告示により新たに活動内容を追加することができるため、入管法(別表)を改正する必要がありません。
ただ、そうはいっても行政庁の独断で改正することは適切ではないことから、行政運営の公正さの確保と透明性の向上等を目的として、事前に広く一般から意見を募り、その意見を考慮するための制度があります。それが、パブリックコメント制度(意見公募手続制度)です。
今回公示された改正案は、経済産業大臣が認定した外国人起業活動管理支援計画に基づき外国人起業促進実施団体から起業準備活動に関する計画(起業準備活動計画)の認定を受けた特定外国人起業家及びその家族が『特定活動』の在留資格取得を可能とするものです。
同在留資格で認められる活動は、特定外国人起業家が(一年を超えない期間で)本邦において事業の経営を開始するために必要な準備行為を行う活動及び当該活動に附随して行う報酬を受ける活動又は事業の経営を開始した後引き続き当該事業の経営を行う活動とされています。
また、その家族については特定外国人起業家の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動(従前の『家族滞在』ビザと同義)です。
政府は、「未来投資戦略2018」(平成30年6月15日閣議決定)において、外国人起業家の更なる受入れ拡大に向けて、起業に向けた準備のため最長1年間の在留期間を付与する等の入国管理制度上の措置を講ずるとともに、起業活動実施状況の確認相談体制の構築等の管理・支援施策を実施するなど、起業活動を支援する「スタートアップ・プログラム(仮称)」を本年中に開始することとしています。
そのため、今回の改正は、上記方針を受けたもののようです。
また、今回の告示改正に伴い、特定活動代理人告示及び入管法施行規則(別記様式)も改正される見通しです。
※そのため、特定活動用の各種申請書(U(その他))も近々変更される予定です。
なお、意見提出期間は、公示の日から起算して30日以上とすることが法律で規定されているため、今回のパブリックコメントの意見・情報受付締切日 は2018年11月18日までとされており、告示の公布日・施行日はともに2018年12月下旬の予定となっています。

 

一方で、かねてより話題となっている新在留資格「特定技能1号・2号」の創設のための入管法改正案については、議論が難航しているようです

自民党は昨日(22日)に党本部で法務部会を開催し、入管法改正案について議論を開始したのですが、報道によると、党内をはじめ公明党からも慎重論が相次いでいるとのことです。
政府はもともと明日(24日)召集の臨時国会で改正案を成立させ、来年4月からの新制度スタートを目指していましたが、ここに来て先行きが不透明となってきました。
日本の在留管理行政上極めて重要な転換期となる法案である以上、慎重な議論のもとで進められるべきものと考えますが、制度導入の遅れが市場にもたらす影響も懸念されます。
召集を明日に控え、早くも延長論が浮上する今期の臨時国会ですが、今後の動向から目が離せなさそうです。

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【最新】入管法改正案の骨子が公表されました

  • 2018.10.17 Wednesday
  • 19:21

 

政府は12日、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を首相官邸で開催し、

同会議で配布された資料「『出入国管理及び難民認定法』及び『法務省設置法』の一部を改正する法律案」の骨子等が公表されました。

 

この骨子が条文に反映された法案が、近日召集される臨時国会に提出される見通しです。

 

新制度の概要がかなり具体的に浮き彫りになってきました。

主なポイントを下記にご紹介します(以下、公表資料の一部抜粋と筆者のコメント)

 


 

1 在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」の創設 

(1) 特定技能1号:不足する人材の確保を図るべき産業上の
分野に属する相当程度の知識又は経験を要する技能を要
する業務に従事する外国人向けの在留資格
(2) 特定技能2号:同分野に属する熟練した技能を要する業
務に従事する外国人向けの在留資格

→業所管省庁が定める一定の試験に合格すること等で、

1号から2号に移行できるとされています。


2 受入れのプロセス等に関する規定の整備
(1) 分野横断的な方針を明らかにするための「基本方針」(閣議決定)に関する規定
(2) 受入れ分野ごとの方針を明らかにするための「分野別運用方針」に関する規定
(3) 具体的な分野名等を法務省令で定めるための規定
(4) 特定技能外国人が入国する際や受入れ機関等を変更する際に審査を経る旨の規定
(5) 受入れの一時停止が必要となった場合の規定

→具体的な方針は明らかではありませんが、詳細は法務省令に委任されるようなので、

法務省令の改正にも注意が必要のようです。


3 外国人に対する支援に関する規定の整備

(1) 受入れ機関に対し、支援計画を作成し、支援計画に基づいて、特定技能1号外国人に対する日常生活上、職業生活上又は社会生活上の支援を実施することを求める。
(2) 支援計画は、所要の基準に適合することを求める。

→受入れ機関(つまり、雇用主)が果たすべき義務や、負うべき責任も大きいようです。

この構造(制度設計)は、技能実習制度にも通ずるように思われます。

4 受入れ機関に関する規定の整備
(1) 特定技能外国人の報酬額が日本人と同等以上であることなどを確保するため、特定技能外国人と受入れ機関との間の雇用契約は、所要の基準に適合することを求める。
(2) 仝柩儼戚鵑療正な履行や∋抉膩弉茲療正な実施が確保されるための所要の基準に適合することを求める。
→報酬額については、従前の就労資格と同様の基準が設けられるようです。
一方で、契約形態が原則として「直接雇用」に限定される点や、契約内容に所要の基準が設けられる点が特徴です。

5 登録支援機関に関する規定の整備
(1) 受入れ機関は、特定技能1号外国人に対する支援を登録支援機関に委託すれば、4⑵△隆霆爐謀合するものとみなされる。
(2) 委託を受けて特定技能1号外国人に対する支援を行う者は、出入国在留管理庁長官の登録を受けることができる。
(3) その他登録に関する諸規定
→登録支援機関という名の、新たな機関も登場します。

登録のための詳細は未定ですが、既存の機関(士業や入管協会、組合等)が何らかの形で関与することも予想されます。


6 届出、指導・助言、報告等に関する規定の整備
(1) 外国人、受入れ機関及び登録支援機関による出入国在留管理庁長官に対する届出規定
(2) 出入国在留管理庁長官による受入れ機関及び登録支援機関に対する指導・助言規定、報告徴収規定等
(3) 出入国在留管理庁長官による受入れ機関に対する改善命令規定

→就労環境の適正管理や技能実習制度の問題点等を鑑みた結果でしょうか、

新たに誕生する「出入国在留管理庁長官」の管理監督機能も強化されるようです。

7 特定技能2号外国人の配偶者及び子に対し在留資格を付与することを可能とする規定の整備
8 その他関連する手続・罰則等の整備
→当初は家族の帯同は認めない方向で調整されていたようですが、2号を設けることで、実質永住も視野に入りうる制度設計に変更されたようです。

特に罰則規定については法案の条文で注意深く確認することが必要でしょう。

 

 


 

その他、既にご案内のとおり、入国管理局が「出入国在留管理庁」(外局)に昇格する点や、

それに連動して地方入管の名称も「●●地方出入国在留管理局」に変更される見通しです。

 

それには、入管法令のみならず、根拠法令である法務省設置法及び施行規則の改正も必要となるため、

細部調整含めてかなり大掛かりな改正になりそうです。

 

ところで、名称まで変わるとなると、各種看板や案内文書等もリニューアルしなければいけませんね。

余計な心配ですが、当局の仕事も増えることになりそうです。

(もちろん、私たちも変更に対応しないといけませんが)

 

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【最新】税金を滞納すると永住ビザが取り消される!?

  • 2018.10.10 Wednesday
  • 18:46

先般、9月25日に第7次出入国管理政策懇談会(第12回会合)が千代田区霞ヶ関で開催されました。

出入国管理政策懇談会とは、出入国管理行政について広く各界の有識者から意見を聴くために設けられた法務大臣の私的懇談会で、平成28年9月に発足した第7次の政策懇談会は、第5次出入国管理基本計画において今後検討することとした課題等について、幅広い視点から有識者の意見を聴取することを目的としています。

 


 

 

今回の会合では、議案のひとつとして「永住者の在留資格について」今後の方針が検討されました。

 

永住者の在留資格をもって日本で暮らす外国人は、平成29年末時点で749,191人おり、在留外国人全体のうち約3割を占めるに至っています。

 

一方で、永住申請の許可率の推移をみると、ここ数年減少傾向にあるという興味深いデータも公表されています。

特に直近の昨年においては、6割を下回る低い許可率で着地しています。

 

【永住許可率の推移】(懇談会配布資料より)

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年
71.8%  70.5%  70.9%  67.5% 56.9%

 

永住を許可するか否かは、法務大臣の広範な自由裁量権に委ねられているといわれています。

したがって、社会情勢や在留管理方針等の変化によって、許可率にも変動が生じうるのです。

→この点については以前のエントリーで詳しく説明しています。

 


 

それでは、今後も許可率の低下は続くのでしょうか?

もちろん、それは今後の状況次第としか言いようがないのですが、公表資料によると、少なくとも納税関連事項については、審査がより厳格化するのではないかと推測されます。

 

その理由は、平成29年度から平成30年8月にかけて法務省入国管理局に寄せられた地方自治体からの主な要望(永住審査に関するもの)として、以下の項目が挙げられているからです(以下、配布資料7頁より引用/太字・傍線引用者)。

 


 

1 納税状況の確認ついて
○ 住民税の納税状況以外に,他の「市税」(国民健康保険税,固定資産税,軽自動車税,都市計画税)の納税状況も含め
審査を実施していただきたい。
○ 納税証明書の提出を求めない過年度分の税金は未納が多いことから,過年度分まで提出を求め,納税義務の履行を確認して
いただきたい。
○ 地方税法に基づく住民税・国民健康保険税は納付義務の時効が5年,国民健康保険法に基づく国民健康保険料は2年のとこ
ろ,未納による差し押さえ等がある場合には時効が停止している。したがって,時効停止を考慮し,4〜5年程度の納税状況
を確認していただきたい。
ただし,納税状況の照会に応じることは困難であることから,納税に係る確認書や滞納がない旨の
証明書の提出を求めるなどの方法を検討していただきたい。
○ 永住者は将来も日本に居住することが見込まれるため,国民年金保険料の未納についても,将来の無年金者や生活保護受給
者の増加につながる問題であるため,市税の納付と合わせて注視していただきたい。

永住許可を既に受けている者の社会保険料等納付状況の定期的な確認を実施していただきたい。
○ 滞納しているのであれば,永住許可の取消しなどの対応も必要ではないかと考える。
2 外国人の出入国に係る情報連携について
未納者が出国した場合,徴収することが困難となるところ,同一人が再度入国した場合であっても,自治体では同一人性が確認できないため,徴収が困難となる。また,出国事実が把握できないため,未納分の徴収が可能か否かさえ不明となることから,外国人の出国情報を提供していただきたい。
3 その他
現場としては,永住者の日本語能力にも疑問を感じる。日本での生活や,安定した就労のためには,一定程度の日本語能力が必要となるため,日本語能力についても永住許可の判断の要件とし,審査を実施していただきたい。

 


 

現時点(2018年10月現在)では、住民税の納税証明書等が必須書類として求められており、必要に応じて国民健康保険税の納付状態も審査されていますが、今後は国民年金他の市税日本語能力も審査の対象となる可能性もあります。

 

また、注目すべきは既に永住許可を受けている者についても調査(確認)の対象とすべきとの意見もあり、滞納状態が悪質な場合は永住許可の取消しも今後議題に挙げられる可能性があるという点です。

 

もちろん、まだ要望が寄せられている段階ですので、近々でというわけではないと思われますが、永住申請に際しては一層の事前検証が必要となることは間違いなさそうです。

 

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【最新】永住申請の審査期間(東京入国管理局管轄)※2018年9月現在

  • 2018.09.28 Friday
  • 18:19

永住ビザの審査期間について、法務省が定める標準処理期間によると、「4か月」とされています。

たしかに、(事案にもよるものの)全国的にみればおおよそ4〜6ヶ月ほどで結果が出るケースが多いようです。

 

ところが、こと東京入国管理局に関しては、昨今、永住審査期間の長期化が指摘されています。

以前のエントリーでご紹介したとおり、約9ヶ月(場合によっては1年近く)というのがここ最近の傾向です。

 


 

では、なぜ管轄によってこのような差(地域差?)が出てしまうのでしょうか?

 

東京入管は審査長期化の理由について、申請件数の増加を理由のひとつとして説明しています。

たしかに、東京入管が管轄する1都9県は外国人が非常に多いため、永住申請件数もダントツで全国1位です。

 

(出典:地方入国管理局管内別 在留資格の取得等の受理及び処理人員(2018年7月)抜粋)

 

最新の統計(9月25日掲載)によると、今年7月の現在で受理されている全国の永住申請受理件数41,488件のうち、東京入管がかかえる件数は29,025件ですので、じつに約7割が東京入管の処理案件ということになります。

 

それでは、実際に申請件数は増加しているのでしょうか?

 

統計によると、平成29年1月時点の東京入管における永住申請受理件数は15,680件でした。

ところが、1年後の平成30年1月時点での件数は、24,255件となっています。

単純計算でも1年で8,500件の増加とみることができるため、確かに申請件数は増えているようです。

 

しかし、この受理件数という数字は該当月に受理した件数を指すのではなく、旧受(前月までの未済件数)と新受(該当月に受理した件数)の総数であるため、少し注意が必要です。

 

統計上では、毎月2,000〜3,000件の永住申請が受理(新受)されているのですが、昨年4月の永住許可に関するガイドライン改定後は、しばらくの間3,000件超の月が続きました。

一方で、既済件数(既に審査が完了した案件数)は2,000件前後で推移しています。

したがって、申請件数(新受)が少しずつ増加する一方で、審査の処理件数(既済)はほぼ横ばいという状態がここ1年続いた結果、未処理件数(未済)が徐々に増えていったというわけです。

つまり、上述した約8,500件の増加は、未済の積み重ねによる持ち案件の増加分ということができます。

 


 

東京入管がこのような状態にある一方で、同じく大都市圏を管轄する名古屋入管と大阪入管についても、ガイドライン改定後の微増はあったようですが、統計上は東京入管ほどの増加傾向はみられません。

 

以上を踏まえると、東京入管の永住審査部門がいかに混雑状態にあるかが想像できます。

 

審査が長引くことで焦る気持ちも理解できますが、上記現状を考えるといたし方ないといえそうです。

入管当局もこの国のために誠実に仕事をしてくださっているわけですので、申請人側としても謙虚な気持ちで粛然と結果を待ちたいものです。

 

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【最新】『入国在留管理庁』が来春よりスタート

  • 2018.08.30 Thursday
  • 18:23

 

前回までの記事でもご紹介したとおり、来年4月の新在留資格「特定技能(仮称)」の運用スタートに向けて、法務省は組織編成を進めています。

 

具体的には、『法務省入国管理』を『入国管理』に“格上げ”することと、入管実務にあたる入国審査官や入国警備官の増員が行われる方針です。

 

★最新の報道によると、新しい官庁の名称は入国在留管理庁(仮称)となる見通しのようです。入管は、入国審査を行うだけでなく、在留審査も行うわけなので、実態に即した名称だと思います。

 

また、入国審査官などの具体的な増員数については、500人規模で増員することを来年度予算の概算要求に盛り込んだとのことです。

500人増員、といわれてもあまりピンとこないかもしれませんので、現状から説明していきます。

 


 

(出所:平成29年版入管白書「出入国管理」(P.136「資料編2 組織・体制の拡充」))

 

『平成29年版入管白書「出入国管理」』によると、入国管理局関係の職員数は平成29年度で4,614人で、5年前の平成24年度の3,881人と比べ約19%、733人増加しています。

下図をみても、平成26年度以降は毎年だいたい200人ずつ増員されていることがわかります。

 

(出典:平成29年版入管白書「出入国管理」(P.138「資料編2 組織・体制の拡充」))

 

それが一気に500人規模の増員となるわけなので、インパクトとしては大きいといえます。

 

人事院は先日、2018年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)に合格したのは7782人で、前年度より577人増えたと発表しましたが、その数字が上記増員数にキレイに反映されていることがわかります。

筆者が接した法務省関係者の話によると、他の省庁は基本的に募集人数が減っているにもかかわらず、法務省入国管理局だけが募集を増やしているようですが、上記経緯を踏まえると納得できそうです。

 


 

『入国在留管理庁』には長官と次長が置かれ、その下に「出入国管理部」と「在留管理支援部」が設置される方針です。

「出入国管理部」は出入国に関する事務や不法在留の取り締まりなどを担当し、「在留管理支援部」は他省庁や地方自治体と連携し、在留管理体制の強化や在留外国人の生活環境整備等を進めていきます。

 

ちなみに、歴代の入国管理局長は、1999年以降、最高検察庁の検事がその大半を占めてきた経緯があるのですが、新たに設置される「長官」についてもそのような人事傾向は続くのでしょうか。そこまでは図りかねるのですが、外局となる以上、情報開示もより積極的に行われるべきですし、国民に一層広かれたクリアな組織になってほしいと思います。

 

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【最新】新しい在留資格と入管法改正(後編)

  • 2018.08.20 Monday
  • 17:48

 

前回の記事(前編)では、外国人労働者を受け入れるための新たな在留資格や受け入れ分野についてご説明いたしました。


後編では、来年以降急増することが予想される外国人労働者の受け入れにあたり、どのような問題が想定されるのか、また、それに対して政府はどのように対処していく方針なのかについてみていきたいと思います。

 


 

新制度により新たに来日する外国人は、2025年ごろまでに50万人超に上る見込みといわれています。

現行制度で工場や工事現場等で働く外国人は大半が技能実習生なのですが、その総数が現在約27万人ということを考えると、いかに急増するかがうかがい知れます。

 

新在留資格(特定技能)で来日する外国人は、基本的には本国で大学等の高等教育機関(大学等)を出ていない若者たちが想定されます。そのような境遇・年齢から、初めて日本に来る方々が大半であると予想されるのですが、そこで想定される問題として挙げられるのが日本語や日本社会に対する理解不足や受け入れ体制の不備等に起因する生活トラブルや文化的摩擦です。

 

若い働き手として日本で働いてくれるのはありがたいですが、日本で働くということは、当然ながら日本で生活することを意味します。

 

外国人労働者問題についてスイスの作家マックス・フリッシュが語ったという有名な言葉に我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だったという一節がありますが、労働力以前に、外国人(人間)としてどう受け入れるかが重要になってきます。

 


 

 

この問題に対して、政府は出入国管理体制を見直すことで、外国人単純労働者の大規模流入に備える方針を打ち出しました。

 

具体的には、現行の『法務省入国管理』を『入国管理』に“格上げ”することで、入管政策の企画立案機能を高め、厚生労働省等の他省庁と調整する司令塔機能をもたせるといいます。

 

「局」が「庁」になったところで何が変わるのでしょうか?

現行の入国管理局が法務省の内部部局(内局)、つまり法務省の中の一部局であるのに対して、入国管理庁となると法務省からは独立した「外局」となるため、より専門的・強権的で独立性の高い事務を行うことができるようになります。(有名な外局に「特許庁」「文化庁」「気象庁」「公安調査庁」等があります)

 

とはいえ、ハコを変えただけでは意味がありません。

そこで、政府は入管実務にあたる入国審査官や入国警備官の人数も来年度以降段階的に増やし、業務量増加に備えるとしています。

そして、その動きは早くも数字に現れています。

最新の報道によると、人事院は本日(8月21日)、2018年度の国家公務員一般職試験(大卒程度)に合格したのは7782人で、前年度より577人増えたと発表しました。

筆者は毎週東京入国管理局に出向いていますが、来年度以降、ニューフェイスの新人審査官が増えると思うと、入管の風景も随分と変わるのだろうと想像されるのです。

 

その他の受け入れ体制整備としては、受入れ企業、又は法務大臣が認めた登録支援機関が支援の実施主体となり、外国人材に対して、生活ガイダンスの実施、住宅の確保、生活のための日本語習得、相談・苦情対応、各種行政手続に関する情報提供などの支援を行う仕組みを設けるといいます。

 


 

なお、今回報道で「入国管理庁」と聞いたとき、筆者はどこかで見覚えがあるなと感じたのですが、じつは我が国には過去にも「入国管理庁」が存在したのですね

(古い入管資料を調査した際に目にしたのが印象に残っていたようです)

 

それは、今からさかのぼることじつに67年前…。

 

 

写真は旧外務省外観(出所:「まちかどの西洋館別館・古写真・古絵葉書展示室」)

 

戦前、日本の出入国管理は内務省が管轄していましたが、戦後しばらくは連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の管理下に置かれていました。

しかし、1950年10月に外務省の外局として「出入国管理庁」が設置され、翌1951年11月に同庁が廃止され、同じく外務省の外局として「入国管理庁」が設置されました。

(当時は法務省ではなく、外務省の外局だったのですね!)

 

ところが、その入国管理庁も翌1952年8月には廃止されてしまい、法務省の内部部局へ移行し「法務省入国管理局」として再編され、現在に至ります。

 

わずか9ヶ月間で姿を消した幻の入国管理庁が、70年近く経って法務省外局として復活するわけですね。

 

そう思うと少しロマンも感じますが、現実問題はシビアな表情で目前にせまっています。

入国管理庁が、名実ともにその統率力を発揮することで、適正な在留管理が徹底されるとともに外国人の人権が護られ、私たち日本人と外国人が円滑に共生できるような社会が実現されることを望むばかりです。

 

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【最新】新しい在留資格と入管法改正(前編)

  • 2018.08.09 Thursday
  • 18:41

 

労働市場において「人手不足」という言葉をよく耳にするようになりました。

 

日本政府はこの人手不足を解消するための手段として、

外国人材の新たな受け入れを進めています。

 

日本の入管行政では、これまでも多くの外国人の就労を認めており、

現在は約128万人の外国人が日本で働いています。

※そのうち一番多い46万人は永住者等の身分に基づく在留資格、二番手は30万人で留学生等の資格外活動許可によるものです。

 

しかし、これまで就労ビザが認められてきたのは高度で専門的・技術的な分野に限られており、

いわゆる単純就労分野における就労ビザ取得は認められてきませんでした。

 

そのため、人手不足が深刻といわれる建設業や農業、介護等の分野で外国人を雇用しようとしても、

就労ビザは取得できないため、技能実習生として一定期間雇用するか、

活動内容に制限のない永住者等の身分系資格や、留学生等を資格外活動許可の制限内で働かせるしかありませんでした。

 

ところが、そのような状態にも限界が来てしまったようです。

特に建設業等の分野では就業者の高齢化により数年後には定年による一斉退職が懸念されているため、

現場からは「待ったなし」の声が極まりつつあったのです。

 


 

 

そこで、政府はついに単純就労分野での受け入れに大きく舵を切ることにしました。

経済財政運営と改革の基本方針2018』(いわゆる骨太方針)によると、

「従来の専門的・技術的分野における外国人材に限定せず、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく」とし、そのために「就労を目的とした新たな在留資格を創設する」とのことです。

 

その新たなビザは、『特定技能』と命名される見通しです。

(これまでも「特定活動」や「技能」「技能実習」というビザが存在しているので、なんだか混同してしまいそうですが…。ビザは短く略称で呼ばれる慣習があるため、「特技」とでも略されるのでしょうか)

 

現在議論されているのは受け入れ分野です。

当初は5つの分野(建設・介護・農業・宿泊・造船)に限定されていましたが、最新の報道によると、さらに金属プレスや鋳造などの金属加工業や飲食業、食品加工業や漁業なども追加し、最終的には15分野ほどに拡大する方向で検討されているようです。

当初5分野の報道を受けて、「それなら我々も!」「私たちも!」と政府への陳情が相次いだことによるようです。

 

そうなると、もうほとんどの産業分野で受け入れが認められるように思われます。

政府は当初5分野の時点で、将来的に50万人超の新規受け入れを見込むとしていましたので、それが一気に15分野に拡がるとなると、優に100万人は超える推算もできるわけです。

 

工事現場はもちろんのこと、飲食店にも、ホテルにも、畑にも漁港にも、若い外国人たちの姿を見る日は遠くなさそうです。

そういった若い労働力が日本の経済社会基盤の維持・活性化のために貢献してくれると思えばとてもありがたいのですが、街の表情が変わるのは間違いなさそうです。

恩恵に期待するばかりではなく、受け入れ側となる私たちにも準備と覚悟が求められているといえそうです。

 


 

さて、それではこの『特定技能』ビザを取得する条件はなんなのでしょうか?

受け入れ分野も確定していない以上、もちろんまだ議論段階なのですが、

現時点では、取得条件として下記2パターンが検討されているようです。

 

ー入れ業種で適切に働くために必要な知識・技能及び日本語能力を有していること。

または

技能実習(3年)を修了していること。

 

,砲弔い討蓮業所管省庁が定める試験「特定技能評価試験(仮称)」(日本語能力については日本語能力試験等)によって確認するとされています。

つまり、所定のテストに合格すれば、たとえ学歴・職歴を有していなくても就労ビザが取得できるいうことのようですね。

 

上記条件に加え、既存の就労資格同様、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」という条件も課される見込みです。

 


 

この新しいビザは、来年(2019年)4月からスタートします。

政府は来春の制度開始に向け、今秋に想定される臨時国会に入管法改正案を提出する方針といいます。

 

正味あと半年ほどしかないにも関わらずあまりに未確定要素が多いわけですが、入管行政が事実上単純就労へ門戸を開いたことがとても大きな変化であることは間違いありません。

(筆者が行政書士業界に入った頃にはとても想像できませんでした。個人的には、外国人登録制度が廃止された2012年7月改正に匹敵する、もしくはそれ以上にインパクトのある大改正になると思います。)

 

しかし、今回の改正には反対意見も根強く、制度上の担保強化の必要性が主張されています。

次回の後編では、「本当にそんなにたくさん受け入れて大丈夫?」という観点から、もう少し掘り下げて検証していく予定です。

 

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【最新】永住申請の審査期間(東京入国管理局管轄)

  • 2018.07.13 Friday
  • 18:20

 

以前のエントリーで永住ビザの審査期間に関してご案内しましたが、

ここ数ヶ月(申請日を考慮すると実際はここ1年ほど)で永住ビザの審査期間が非常に長期化しています

 

直近で許可となった弊社取次の案件を例にとると、申請から許可(結果通知)まで約9ヶ月を要しております。

※この事例は東京入国管理局管轄の案件です。管轄する官署によって審査期間が多少異なるようなので、あくまで参考までにご理解ください。

また、他事務所の行政書士等も同様に平均して8〜9ヶ月かかっているとおっしゃっていました。

 

以前ご案内したとおり、法務省が公表している永住申請に係る標準処理期間は「4か月」ですが、さすがにこれでは現状との乖離が大きすぎるため、近々標準処理期間も見直されるべきものと思われます。

 


 

それにしても、なぜここまで審査期間が伸びてしまったのでしょうか。

 

もちろん本当のところはわかりかねるのですが、長期化のタイミングを考えると、その原因のひとつとして、平成29年4月26日付の「永住許可に関するガイドライン」改定があると考えられます。

 

以前当ブログでもご紹介したとおり、昨年4月にガイドラインが改定され、「高度人材外国人」に該当する方については最短1年で永住許可されるようになりました。

そのため、この特例(緩和要件)による申請が急増したことで、申請総数が一気に増えたため、審査遅延に拍車がかかったものと推測されるのです。

(実際に改定当初は弊社でもこの特例によるご相談・ご依頼が相次ぎました。)

 

当該特例による審査では、通常の要件確認に加え、高度専門職に相当する得点が認定できるか否かの審査も別途必要となります。既に高度専門職等を得ている方ならさほど審査に時間を要しないと思われます。しかし、そうでない方(すなわち、ガイドラインの(6)イまたは(7)イに該当する方)については、実質的に高度専門職への変更と同程度の実体審査が要求されるため、その分の審査に要する時間が加算されるのは当然の帰結といえるでしょう。

 

 

ただ、全体の審査期間が長期化することで、懸念点のない方(いわゆる許可相当案件)についても同様に時間がかかるわけですので、永住申請を検討するにあたっては、事前に最新の審査期間を踏まえてスケジューリングすることをお勧めします。

 

永住申請のタイミングについて検討されている方は、最新の審査動向を踏まえてアドバイスしますのでお気軽にご相談ください。

 

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【実務】仙台入国管理局より永住許可通知書が届きました

  • 2018.06.27 Wednesday
  • 19:13

まだ肌寒かった今年の2月に仙台に出張し、仙台入国管理局にて永住ビザの申請をしてきました。

 

その結果が、本日弊社に届きました。

 

 

無事に「許可」見込通知書をいただくことができました!

 

※通知書には結果は明確に書いていないのですが、「2、収入印紙」の箇所に「永住 8,000円」にアンダーラインがされていることで、永住許可がされる(見込みである)ことを確認することができます。

 

あとはこれを入管に持参すれば、新在留カードが交付され、その時点で晴れて「永住許可」されます。

(したがって、この通知書が届いた段階ではまだ正式に許可されたわけではありません。)

 

今回ご依頼いただいたお客様は、福島県内にお住まいの方だったのですが、2014年にご自身で永住申請されたところ、不許可となってしまったため、今回は失敗できないとのことで、遠方にも関わらず東京にある弊社にご依頼いただきました。


結果をお伝えしたところ、非常に喜んでおられました。

 

永住ビザの申請は一度失敗してしまうと、不許可という行政処分の記録が残る以上、許可されるまでの道のりは厳しくなるのが一般的です。

 

そのため、もし過去に不許可歴がある方は、まずは不許可の理由を正確に検証し、具体的な対策のもと再申請に臨む必要があります。

 

弊社は全国の入国管理局にて申請・許可実績が多数ございますので、遠方の方もご遠慮なくお問い合わせください。

 

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【最新】外国人と健康保険制度をめぐる問題

  • 2018.06.07 Thursday
  • 10:00

 

日本の医療費が外国人に食い物にされている?!

 

近時、このようなニュースを眼にすることが多くなっています。

 

報道によると、日本で安く医療を受けるために『留学』ビザを取得して来日する中国人が増加し、日本の医療費を圧迫しているといいます。

日本を訪れる中国人の間でとりわけ需要が多いのはC型肝炎で、特効薬のハーボニーは3カ月の投与で465万円かかるところ、国保に加入して医療費助成制度を使えば、月額2万円が上限になるため、そういった治療目的でビザ申請を行うケースもあるようです。

(出典:PRESIDENT Online

 


 

もちろん、上記のような事例はごく一部の心無い人による行為かと思います。

 

しかし、一部のビザを除き、日本に在住する外国人は原則として国民健康保険の被保険者となることができるため、「健康保険証(国民健康保険被保険者証)」を取得すれば、来日間もない外国人であっても、日本人と同様に低い自己負担で医療を受けられるのは事実なのです。

 

たとえ外国人であっても、都道府県の区域内(つまり日本国内)に住所を有する者は、社会保険に加入している場合等を除き、都道府県の区域内に住所を有するに至った日から、国民健康保険の被保険者となるとされているからです(国民健康保険法5条、7条)。

 

 

それにしても、なぜわざわざ『留学』ビザを取得する必要があるのでしょうか。

 

日本で医療を受けたいのであれば、そのために用意された『特定活動』(告示25号)というビザ(いわゆる『医療滞在』ビザ)があるため、そのような専用のビザで来日すれば非難されるいわれはないはずです。

 

なぜ、前記『医療滞在』ビザではなく、ウソをついてまで『留学』ビザで来日するのか。

答えは、『医療滞在』ビザでは国民健康保険に加入できないからです。

つまり、『医療滞在』ビザでも来日できるが、それだと全額自腹で支払わなければならないため、忌避される傾向にあるのです。

 

◆国民健康保険法6条は「適用除外=被保険者となれない者」として以下の11パターンを規定しています。

 


 

第六条 前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は、都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険(以下「都道府県等が行う国民健康保険」という。)の被保険者としない。

 

一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による被保険者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者を除く。

二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)の規定による被保険者

三 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)又は地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)に基づく共済組合の組合員

四 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者

五 健康保険法の規定による被扶養者。ただし、同法第三条第二項の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。

六 船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者

七 健康保険法第百二十六条の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第三条第二項ただし書の規定による承認を受けて同項の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第百二十六条第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。

八 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の規定による被保険者

九 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護を受けている世帯(その保護を停止されている世帯を除く。)に属する者

十 国民健康保険組合の被保険者

十一 その他特別の理由がある者で厚生労働省令で定めるもの

 


 

上記のうち、外国人については太字で示した11号にあたるため、さらに省令を確認する必要があります。

省令(国民健康保険法施行規則1条)は以下の外国人を「適用除外=被保険者となれない者として列挙しています。

 


 

第一条 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号。以下「法」という。)第六条第十一号に規定する厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者とする。

 

一 日本の国籍を有しない者であつて、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十五に規定する外国人住民以外のもの(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)に定める在留資格を有する者であつて既に被保険者の資格を取得しているもの及び厚生労働大臣が別に定める者を除く。)

二 日本の国籍を有しない者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、病院若しくは診療所に入院し疾病若しくは傷害について医療を受ける活動又は当該入院の前後に当該疾病若しくは傷害について継続して医療を受ける活動を行うもの及びこれらの活動を行う者の日常生活上の世話をする活動を行うもの(前号に該当する者を除く。)

三 日本の国籍を有しない者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(十八歳以上の者に限り、第一号に該当する者を除く。)

四 日本の国籍を有しない者であり、かつ、前号に規定する者に同行する配偶者であつて、入管法第七条第一項第二号の規定に基づく入管法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動として法務大臣が定める活動のうち、本邦において一年を超えない期間滞在し、観光、保養その他これらに類似する活動を行うもの(第一号及び前号に該当する者を除く。)

五 その他特別の事由がある者で条例で定めるもの

 


 

上述した『医療滞在』ビザは太字で示した2号が該当するため、国保には加入できないのです。

 

★なお、『短期滞在(いわゆる観光ビザ)』や3ヶ月以下の在留期間のビザも被保険者になることはできません(同条1号)。

同じく『特定活動(観光・保養を目的とするロングステイビザ)』(告示40号・41号)も国保には加入できないため、全額自己負担となります(同条3号・4号)。

 

 

一方で、『留学』ビザを含む中長期在留者については、上記適用除外とはならいため、外国人であっても国保に加入することができます(というよりも、加入しなければなりません)。中長期在留者の中でも、『留学』ビザは比較的取得のハードルが低いため、日本の国保に加入する"手段″として『留学』ビザが悪用されてしまっているのです。

 

まじめに勉強に励む留学生がたくさんいる一方で、上記のような不届き者もいるわけです。

留学生のビザ申請をお手伝いすることも多い私たちとしては、なんともやるせない気持ちです。

 

このような現状に対して、国会議員の中には在日外国人に国保は適用すべきでなく、新たな医療保険を用意すべきだとの声もあがっているといいます。(参考:zakzak by夕刊フジ

 

前回のエントリーで紹介したとおり、来年創設される新たな就労ビザにより、今後外国人の急増が予想されています。現在の状況を放置すれば、外国人の増加が社会保障費のさらなる増大を加速化することになりかねません。

 

 

「すべての国民に一定水準以上の平等な治療を提供する」

この社会的理念に基づく国民皆保険制度は、日本が世界に誇る"助け合いの仕組み”です。

 

私たちがこれからも安心して医療を受けられるようにするためにも、

助け合いの調和を乱す不届き者は排除しなければならないはずです。

 

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